お風呂に肩まで浸かるべき理由

温度の使い分け

 

 

次は風呂温度の使い分けの話をしますが、しっかり肩まで浸かることで、使い分けの効果も大きくなります。

 

まずは意外と知られていない、普段の皮膚の表面温度についてです。部位によって違いもあるのですが、一般的に皮膚表面は30~35度、平均32度となっているそうです。ちなみに、耳や鼻は22度と低く、逆に熱を生産する肝臓は40度もあるそうです。

 

お風呂の温熱効果の境目は40℃とされています。 40℃より温度が高いお湯に入ると、交感神経が優位になり、40℃より低ければ副交感神経が優位になります。身体をしっかり温めるには、約20分が目安です。また、血液は約1分で全身を一巡しているそうです。温度の好みが40度を境に分かれるのは、こうした体のしくみからも説明できます。

 

交感神経が優位になれば、体は活動モードに入り、副交感神経が優位になれば、体がリラックスします。「ホットヨガ」は、室温40度前後、湿度55%の蒸し暑い部屋の中で行いますが、大量の汗をかくことよりも、新陳代謝を促進していることの方がポイントなのです。

 

42度以上の熱いお湯ともなれば、交感神経は更に活発になり、シャキッとする興奮状態になります。つまり、朝の目覚めには最適ですが、就寝前だと、体が目覚めてしまい、逆効果になります。

 

半身浴なら、43℃前後で10分程度の入浴をすると、疲労を回復させる入浴法になります。37~40度のぬるいお湯は「全身浴」にお勧めです。