静水圧の作用

お風呂の第一の作用は前述した温熱作用ですが、その他にも、ちょっと気がつきにくい第二、第三の作用があります。それがお風呂の「静水圧(せいすいあつ)」と「浮力」です。
お風呂の効能には「温熱」、「静水圧」、「浮力」の3つの作用があるということです。シャワーでは得られないお風呂ならではの作用ということで上手に活用して疲労回復に役立てましょう。
さて、静水圧による体への効果ということですが、「静水圧」とはいわゆる水圧のことです。足のむくみの解消などに効果があるわけですが、お風呂のような水深の浅い場合でも水面下の体に結構水圧がかかっているのです。肩まで湯に浸かったとして、その状態で、メジャーで腹周りを測定すると、空気中よりも数センチも縮むそうです。これが静水圧です。
足のむくみは長時間の立ち仕事などで起こりやすくなっています。その改善にお風呂が効果的なのは、水圧によって足に溜まった血液が心臓に押し戻されるからです。こうしたむくみ解消には「半身浴」では水圧効果が弱いので、しっかり肩まで浸かる「全身浴」がいいのです。
また、静水圧にはデトックス作用があるともされています。お風呂に入るとなぜか尿意を感じることがあると思いますが、それは水圧で適度に下半身が圧迫されるからで、血液が上半身に戻ってくると、利尿作用をもたらす「心房性ナトリウム利尿ペプチド」というホルモンの一種が増え、それによって尿量が増えて、塩分や老廃物の排泄が促進されるわけです。当然これもしっかり肩まで浸かる「全身浴」がいいわけです。